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2021年1月開始~外国向け私文書認証ワンストップサービス~

記事カテゴリ:法律知識

2021年2月

弁護士 田邊正紀

「外国で不動産を売却する」、「外国で会社を設立する」、「外国にいる家族を代理人に選任する」「外国で離婚する」などの場合、提出書類に、本人が署名をしたものであることを証明するための「署名証明」(Certificate for the Signature/Attestation of signature)やパスポートのコピーなどに「原本証明」(Certified copy of the original)を求められることがあります。この場合、公証人に証明を依頼すると、以下のような手順が必要とされる場合が多くありました。

① 公証役場で公証人から署名証明(私文書認証)をもらう

② 署名証明をもらった書類を法務局に提出して、押印証明をもらう

③ 押印証明をもらった書類を外務省に提出して、公印証明又はアポスティーユをもらう

※アポスティーユとは、「外国公文書の認証を不要とする条約(認証不要条約)」に基づく外務省の証明のことで、条約加盟国でしか通用しません。

④ 公印証明をもらった書類を駐日大使館(領事館)や現地提出先に提出する

そのため、1つの書類を提出するのに、何度も役所に足を運んだり、書類を郵送するなどして、大変な時間と労力がかかっていました。

しかしながら、2021年1月から、愛知県内のすべての公証役場で、署名証明(①)、押印証明(②)、公印証明又はアポスティーユ(③)の手続が、ワンストップで提供されることになりました。つまり、公証役場に行けば、①から③までの手続が1回で終わることになったということです。また、多くの公証役場では、英文による署名証明(私文書認証)のサービスを提供していますので、必要な場合には事前に問い合わせるとよいでしょう。大変便利になりましたので、活用することをお勧めします。

なお、日本では弁護士が「署名の真正」や「コピーの真正」を証明することはあまりありませんが、外国では比較的多くの国で弁護士によるこれらの証明が認められています。当事務所では、1時間の法律相談料1万1000円で2通まで、外国の機関に提出する書類の「署名証明」やパスポート等の「真正な写しの証明」(コピー証明)を発行させていただいております。

※公証役場で作成する場合、1通1万6000円になるものと思われます。

提出先が「外国の弁護士」による「署名証明」や「真正な写しの証明」を認めている場合には、活用をご検討ください。また、提出先がどのような証明を求めているか不明な場合には、ご相談いただければ適切な証明者が誰か判断させていただきます。