発展するミャンマーの今
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■投稿弁護士:原 さやか
2019年2月7日~12日の日程で、ミャンマーの法制度等の視察のため、ヤンゴン、ネピドーを訪問してきました。
ヤンゴンでは、ティラワ経済特区・西ヤンゴン地方裁判所の視察、JICA事務所・法律事務所の訪問、ミャンマー人弁護士・商工会議所の方々との会食、ネピドーでは、法務長官府長官・最高裁判所長官への表敬訪問、国会見学、JICA専門家の方との会食と、盛りだくさんのスケジュールでした。
今回の訪問で個人的に一番楽しみにしていたのが、ティラワ経済特区の視察です。ティラワ経済特区は、製造業用地域、商業用地域等を総合的に開発するプロジェクトで、ミャンマー初の本格的な経済特区と言われており、ヤンゴン中心部から車で約1時間程度の場所にあります。ミャンマー・日本の政府や民間企業が出資するMJTD(Myanmar Japan Thilawa Development Ltd.)社が2014年1月に設立され、ミャンマーの経済発展に資する外資企業を誘致するべく開発が進められています。
現地でMJTD社のご担当者にご説明をいただいたところによると、明確ではない規制が多々存在しているミャンマーですが、ティラワ経済特区においては、外資に対する諸規制が緩和されており、条件を満たせば投資認可が得られ、また、回答を得られるまでのスピードも申請から3週間程度(ただし、提出前の事前協議は必要)とのことです。
その他諸々の許認可申請についても、ティラワ経済特区内に設置されているワンストップセンターにおいて手続きをすることが可能であり、必要となる許認可は全て特区内で取れるため非常に便利な仕組みになっています。また、停電が頻繁に発生するミャンマーではこれが工場の操業等の障害になっていると言われていますが、ティラワ経済特区においては2016年3月に特区内に発電所が完成し、そこから電気の供給が可能になっているなど、インフラの整備にも力を入れています。その他、税制優遇などもあるとのことですが、一方で、管理費等がかかるというデメリットもあるようです。
2019年2月までに103社が入居を決めており、そのうち着工済みが84社、すでに操業開始をしているのが64社で、今後さらに多くの外資が進出してくると予想されています。外国企業の進出先としてミャンマーが魅力を持つ理由は、労働力の安さだけではなく伸びしろの大きい市場にもあるそうで、物が何もない今だからこそ市場におけるドミナントになるべくミャンマーに進出していく価値があるとのことでした。
私が初めてミャンマーに行ったのは2017年3月でした。その時、ヤンゴン市内では外国から輸入したと思しき汚れた中古バスが走っていましたが、2年後の今では、市内を走るバスがほぼすべて新品に入れ替わっていました。また、当時はあちこちが工事中でしたが、今では近代的な建物が多く立ち並び、たった2年での変容ぶりは目を見張るほどでした。
急速に経済発展をしているミャンマーですが、数年後にはどのような姿になっているのだろうかと今から楽しみです。
ティラワ経済特区のゲート